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書評以下

ウェブ進化論 終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち

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授業のレポートとして提出期限ギリギリで焦って書いたものだけど、

ネット上のどこかに残しておきたかったのでここに。

そういう用途ではsa.yona.laって便利。

そういえば最近の講師陣は提出したレポートがどっかからのコピペじゃないか調べるシステムを持ってるらしいので、一応提出後に記載した物ですよということを記載しておきます(to N先生)



終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ちの感想。


 この章において梅田氏は、エスタブリッシュメントな人々を、日本の旧来の終身雇用制の中で転職経験を持たず、その為に行動力を持たず変化に適応できず、そして組織に対して閉鎖的な考えを持つ人々という定義で扱っている。そして911事件への日本の対応を見た事を機に、脱エスタブリッシュメントという事を考え、そして実行している。

 彼が脱エスタブリッシュメントに必要とするのはラディカルなキャリア経験によって得られる、人生の転機や新しい機会、そして不安定な状況の中で自らを追い込み能力の100%を発揮する事を求められるような環境や経験であると考えている。彼の考えの根底にある感情は、その過程には様々な危険や困難が存在するが、その先にある物の為にはそれらに対してある程度楽観的であるべきというオプティミズムである。


 私は彼が脱エスタブリッシュメントし、これからの時代に求められる物として意識しているのは行動力とオープン思想であると感じた。ラディカルなキャリアは変化と組織を超えたオープン性を人に気づかせそこから新たな時代が生まれるというメッセージが強く伝わった。

 そして彼が本書の中で何度も用いた玉石混淆とは、まさにそうした不安定なキャリア環境そのものであり、そうした環境を作る事で良いものと悪いものの振り分けができ、進歩が生ずるという考えであると思った。


 しかし私は同時に、今の若者は既にオープン思想を会得しているのではないかと感じている。

 言い方は悪いかもしれないが、彼は自分より後の世代に対して「自分が目覚めを必要とした様に、今の若者にも目覚めが必要である」と無意識的に考えている節があるように思える。

 しかし今の世代はそうした組織にとらわれない、そしていざとなれば自分から率先して動く行動力を内包している様に思える。それは梅田氏が以前指摘した今の中学生のような物心ついた時から情報環境が存在している世代というのがまさにそれである。


 そして私は今の世代には目覚めは必要ないと考えるからこそ、もはや玉石混淆の不安定なキャリア環境も、そしてそこから玉をふるい分ける必要も無いと感じる。むしろ今問題なのは安定した環境がないが故にそうした目覚めた新世代が自らの能力をじっくり発揮する場所が足りていないということではないだろうか。

 私にとっては彼の薦めるラディカルなキャリア環境はむしろ皮肉にも新たな世代の可能性をある意味損じているというように感じられる。今は目覚めた新世代を迎え安定的に彼らの能力を伸ばし続けられる環境こそが必要なのではないか。

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